千本鳥居の見事さに思う。伏見稲荷大社ほど「庶民に信仰されている」と感じる神社は見たことがない
神社参り・プチ登山・商店街での買い食いなどいろいろ楽しめる名所と思ったことと、伏見稲荷大社について 知りたくなったので、お稲荷さんのことを少し調べてまとめます。
神様は無限に分けることができる
伏見稲荷大社は全国に3万社ある「お稲荷さん」の総本山です。伏見稲荷大社の神様である「稲荷大神」が大社のある稲荷山に鎮座したのは奈良時代の和銅4年(711)2月とされています。それから平成23年(2011)で1300年。かなりの歴史ある神社です。一般的には「お稲荷さん」と呼ばれている同社の神様は、暮らしを豊かにしてくれると言われており、古くから庶民の信仰を集めていました。
ところで総本山の定義って何でしょうか。総本山を理解するには神様のことを知る必要がありました。というのも、神様は無限に分けることができるようなのです。細胞分裂のようなイメージでしょうか。これを神道用語で分霊(ぶんれい)といいます。分霊しても元の神霊に影響はなく、分けられた方も元の神霊と同じ働きをします。
そして、分けた霊を他の神社に移すことを勧請(かんじょう)といい、神を分けてもらった神社を分祠(ぶんし)、分社(ぶんしゃ)、今宮(いまみや)といいます。分霊された神社の社名は、元の神社の名前に因むことが多いそうです。つまり、全国の稲荷神社の神様は、総本社である伏見稲荷大社から分けられていたのです。
伏見稲荷大社の神様が全国3万箇所の神社に分かれて行ったのですね。そう考えるとここへの参拝できるのはとても有り難いことのように感じられます。きっと昔は今よりその有り難みは大きい物だったことでしょう。
ちなみに、伏見稲荷大社のURLは http://inari.jp/ 。このURLは現代では総本山であることを端的に伝えています。
外国人が日本で一番行きたい場所
伏見稲荷大社の見どころの「千本鳥居」はハリウッド映画『SAYURI』にも登場し海外で有名になりました。それがきっかけかどうかは不明ですが、トリップアドバイザーで「外国人が日本で一番行きたい場所」にも選ばれています。今では外国人が殺到する一大観光地です。実際、私が境内を訪れた時は聞こえてくる言葉の8割は外国語でした。
映画SAYURI予告編
数字で考えるとすごい日本人の信仰
伏見稲荷大社の象徴「千本鳥居」は個人や企業からの奉納鳥居です。鳥居奉納に必要なお金は様々でしょうが、一番大きい物で130万円、人がくぐれる一番小さなもので17万5000円ほどだそうです。それが山の麓から山頂までびっしりと並んでいます。日本人の深い深い信仰がなければこの景観は生まれなかったことでしょう。初詣の参拝客は関西一を誇っていますし、外国人にいくら人気とはいえ、日本人からの人気のほうが圧倒的に高いのではないかと感じるのでした。
「稲荷山」山頂まで行きたいならプチ登山の用意と2時間が必要
お稲荷さんに気軽に出かけて「失敗した!」と思ったことは、山頂までの道のりをチェックしていなかったことでした。一度訪れると、最初はその気がなくても山頂まで行きたいという思いにかられます。しかし、山頂までは2時間のプチ登山です。時間の確保と階段を2時間ひたすら登るための靴が必要です。ヒールではまず無理でしょう。平らな靴でもきついです。できればスニーカーを履き、帽子をかぶり、季節によっては防寒着持参が良いです。
外国からの観光客もよく調べていない方も多いようで、途中の茶店で休んでいると、「まだここは30%の地点だよ。山頂まではまだ70%あるんだ。」「ええーー!そうなの?俺、全部は無理だ。」といった感じの会話が聞こえてきました。とにかく、最初はその気はなくても、素敵な景観や山のパワーに魅せられて山頂まで行きたくなるので予め準備をして行くといいと思います。
山頂までの地図 http://inari.jp/trip/map01/
高速から至近&神社の駐車場は無料
南京都なので、高速を降りて15分ほどで現地につけることも魅力です。また、土日でもけっこうな確率で神社の無料駐車場を利用できることも素晴らしいです。さらに、電車の駅も参道入口の真ん前。こんなに便利なアクセスの名所はめったにないかもしれません。
ハイキングと神社参りがいっぺんにできる京都の名所
伏見稲荷大社はハイキング本にも掲載されています。それほど歩く神社です。そして、世にも美しい千本鳥居をくぐる体験ができます。写真家にはたまらない被写体でもあります。ハイキングと神社参りがいっぺんにできる京都の名所、一度訪れる価値があると思います。おすすめです。
一度訪れてみてくださいね。
伏見稲荷大社関連グッズ 映画『SAYURI』