若冲展2016の初日に行きました。最高でした!
「若冲展」行きました、行きました!
これは最高です。若冲さんが京都の相国寺に寄進した「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅(宮内庁三の丸尚蔵館)を全て鑑賞できます。これらは同じフロアにバーン!とくり広げられているので、もうテンションが上がります。
他のゾーンでは、水墨画に革命を起こしたと言われる「筋目描き」も間近で堪能できます。興味のある方は絶対に行ったほうがいいです。行かないと後悔するレベルです。良いです。
若冲さんは「楽しいおじさま」だった?
おそらく若冲展に行くと、誰もが感動する絵があります。江戸時代にデジタル風の絵画というか、ピクセル画というか、とにかく見た瞬間に「ワクワクドキドキ」してしまう。「鳥獣花木図屏風」はまさにそんな絵です。
じ〜〜〜〜っくり、何分でも見てしまいます。京都にありながらアフリカの動物や中国の動物が一同に会している絵を描いた、そこに思いを巡らせる面白さもあります。
よ〜〜〜く見ると、『もののけ姫』に出てきた「しょうじょう」という猿のような動物にそっくりの生き物も描かれています。これを参考にしたのでしょうか。
何より凄いのが、モザイクのような「四角いマス目」で描かれていることです。ピクセル画っぽいこの描き方は「枡目描き(ますめがき)」というそうです。イスラムの絵画やモザイクかなにかの参考資料を見たのでしょうか。とにかく、京都にありながら、世界中および現代のデジタルまでも感じてしまう絵を描いた。その想像力の豊かさを想うと、若冲さんにお会いしてみたい気持ちでいっぱいになるのです。
一体、どんな方々と交流し、何を見つめながら描いたのでしょうか。若冲さんが見たであろう参考文献や参考資料そのものを見てみたいと思いました。
また、釈迦三尊像のお釈迦様にいたっては、もし現代に生きていたらロックンローラーとしか思えない風貌で、欲にまみれたお顔つき(ごめんなさいお釈迦様)をしています。爪も武器のごとく尖っていて、ツッツキの常習犯の様相です。
さらに、お釈迦様ご本人以外のことでも驚きました。お釈迦様の右下に控えている従者(何か高貴な役割がある方なのだと思いますが)悪人としか思えない表情です。お釈迦様・欲・悪人面を、ファンタスティックな色彩で描き出しているのですから、見た瞬間に思わず笑ってしまいました。最高です。
しかし、解釈を間違っているのは、お釈迦様のことを何一つ知らず、イメージだけでロックだとか言っている私の方なのでしょう。この絵を見て、今度お釈迦様について少し学ぼうと思いました。
若冲の絵が楽しいのはガヤガヤしているから
若冲さんの最大の楽しみは、絵が「ガヤガヤ」していることでした。明らかにざわついているのです。ここで紹介した絵以外も、かなり多くの動物や植物が絡みあい、ガヤガヤ、ざわざわ何かを話しています。そこにセリフを付けたりしながら観覧していると、ずっとニヤケっぱなしで、かなり楽しめました。にぎやかで声の聞こえる超絶技巧。それが若冲さんの凄いところでした。
若冲展のいたるところで「かわいい!」の声
かわいいのです。若冲さんの絵は可愛い!
もう本当に可愛くて、私のみならず、会場のいたるところで女性の「可愛い!」の声が止むことはありませんでした。タコの足に小ダコが巻き付いていたり、愛らしい姿勢のインコがいたり。キュートな薔薇が咲き乱れていたり。江戸時代の絵に「かわいい!」という感想。こんな芸当、もしかしたら若冲さんにしかできないのかもしれません。
若冲から着想を得たのかな?と感じる絵もいっぱい
若冲さんの絵は、有名なマンガ・アニメ・物語などに影響を与えたのかな?と思えるものが何枚もありました。そのような点も楽しいポイントでした。
図録・オリジナルグッズはかなりのできばえ
グッズはなかなかおもしろいものが沢山ありました。超人気の「鳥獣花木図屏風」をモチーフにしたものは沢山あり、どれも買いたい気持ちをくすぐられます。値段もそれなりに高く設定されているので、美術館アイテムには目がないという方は、お小遣いを沢山持って行ってください。
また、私が行ったのは「初日」で店員さんも慣れていないからかもしれませんが、閉館ギリギリのショップには驚くほど長い行列ができました。待つのが苦手な方は諦めてしまうレベルです。朝に開館一番に行くのが良いのかもしれません。
動植綵絵をイッキに見れる展示方法も圧巻です。若冲展。いいです。5月10日に来場者20万人突破したというニュースを見ました。混みあうとは思いますが、行ってみて損はないと思います。ぜひ。