参加のきっかけ
私はフリーランスのライターをしています。事務所を持たず、自宅と大阪市内のコワーキングスペース「オオサカンスペース」が主な仕事場です。そのため、大阪府豊中市にコワーキングスペース「Umidass(ウミダス)」が新しくできたと知り、とても気になっていました。
そんな中、ここで小学生向けのプログラミング講座があると知りました。
「面白そう!」
私の面白いことレーダーが反応しました。
主催は「Mana Lab」という組織です。
講座の概要には、『英語でビジュアルプログラミング言語の「Scratch」を学ぶ。グローバルに活躍するために今のうちから身につけておくべき「GlobalCoders メソッド」に沿った4つのステップ「知る・触る・創る・話す力を身につける」』とあります。外国経験のあるプログラミング講師が担当する、英語は日常会話レベルでOK、日本語での説明もあるので安心、パソコンを触ったことがなくてもOK・・・
とても真面目な案内文なのですが、何か面白そうな気がする・・・。
その感覚はどうやら当たっていたようで、面白さの理由は当日判明することになります。
エンジニアさん羨ましい!という思いで申し込み
私のまわりには素敵なエンジニアさんがいっぱいで、彼らは英語もとてもできます。その影響で、いつか子どもにはプログラミングを学んでほしいと密かに思っていたので、「これは良いきっかけになるかも」と思いました。とにかく、「思いついたことを形にできるエンジニアさん」は常々羨ましいと思っていたのです。
対象は小3からとのことでしたが、問い合わせると「小1もOK」と言っていただいたので、早いかどうかは参加してから考えることにして勢いで申し込みました。子どもは幼稚園レベルの日常会話ができるので、英語オプションのある方をチョイスしました。
ちょうど忙しくしており、講座の概要だけ読んでそれ以上の情報収集をすることなく当日を迎えました。この情報収集をさぼったことで、私はめちゃくちゃ驚くことになります。これが概要を読んで感じた面白さの理由でした。
先生は「高校生起業家」!
プログラミング講座の当日、駅で参加者を待っていたのは「少年」でした。てっきりスタッフの方だと思ってご挨拶すると、何と今回の講座の主催者と判明。小山優輝さんという高校生起業家でした。年齢、実に17歳!北摂の高校に通う正真正銘の高校生です。
小山さんは、会ってすぐに自己紹介用のA4チラシを1枚くれました。そこには、小学生時代をアメリカで過ごしたこと、現時点で1年以上のプログラミング講師経験があること、プロのウェブデザイナーとしても活躍していることなどが書かれていました。さらに、2015年には世界経済フォーラムGSCTokyoや、慶応ビジメスコンテストで最優秀賞まで受賞しているとのこと。
ウミダスまで歩く間、ひたすら「凄い高校生だ!」と関心しながらの数分間でした。
まあ、今回の講座のHPを見ていたら行く前に知り得た事実なのですが、まさか先生が高校生で起業家とは思っていなかったので、いい意味で大きなインパクトでした。
高校生が先生でとても嬉しいと感じた理由
歩きながら、私は高校生が先生で「すごくいい!」と思いました。その理由は、子どもは「年齢が近い人に教えてもらうことほどいい影響を受ける」と日頃から感じていたからです。例えば、大好きなお絵かきに精を出す理由は「友達のAちゃんがうまいから、自分も!」という思いからです。これは運動でも何でも当てはまります。今回も、遊びのような感覚で楽しんで取り組めそうな気がしたのです。しかも、子どもからみたら、「外国経験のあるお兄ちゃんと英語で遊ぶ」感覚です。これは良い!
講座で使うのは「scratch(スクラッチ)」
今回の講座で利用するのは、子ども向けのプログラミング言語として有名なMITメディアラボの開発したScratch(スクラッチ)です。ビジュアルプログラミング言語と呼ばれるものの一つで視覚的にプログラミングを学べるように作られています。このツールで自分が考えたゲームを作ってみるというのが3日間の講座のお題です。
1日2時間、3日間の講座がスタート!
最初の作業はスクラッチの動作テストです。ログインするなり猫のキャラが登場し、子どもは「ニャー!」などと喜びながら釘付け。小1ならではの態度丸出しではしゃぎます。持参のパソコンでスクラッチが動くことを確認したら、一旦パソコンを閉じます。
その後登場したのはパスタ5本・マシュマロ3つ・弱粘性のガムテープ少し・・・
「これらの材料を使って、なるべく高いタワーを作ろう!」という司令が出されます。制限時間は3分。これに小1はノリノリ。マシュマロにパスタを刺してガムテープで止めるなどしていました。次に隣の子とチームで同じことをします。結果、1人より高いタワーができました。
このワークを通じて、「チームで取り組むと1人よりも成果がでる」と小学生らは知り、3日間を一緒に楽しもう!という雰囲気が生まれました。ここまでがウォーミングアップです。このワークは日本の習い事ではあまりないので、グローバルっぽいと感じました。
プログラミングのやり方をレクチャー
その後プログラミングのやり方を少しだけレクチャーされました。キャラを置きたい場所を指定する方法や、どんな動きができるのかの説明などです。ここを理解するにはX座標・Y座標などの概念をできれば知っておきたいところですが、小1には「初耳学」状態。頭に「?????」が飛びまくっていました。
そんな中、小山さんは紙にシンプルな図を書くなどして丁寧に説明してくれました。この辺りの説明は7割ぐらいが英語で、理解できないところを日本語で説明をしてくれました。とはいえ、小1にはとても難しそうでした。小3ぐらいになるとよくわかると思います。
ゲームの構想を練る
次は、どんなゲームをつくるか紙に書いていきます。ここは楽しいパートです。お兄さん先生が興味を持ってアイデアを聞いてくれることや、隣の席のおねえちゃん(中1)のノリが良いことから楽しく計画できました。「みんな大きい子なのに、小1相手に熱心に会話してくれてありがとう!」と後ろで見ていて思いました。
キャラや背景を置き、動きをつける
その後、アイデアを実際にスクラッチ上に展開します。必要なキャラを素材集から選んで置いたり、理想の絵がない時はGoogle画像検索でイメージに近いものを探したり。その後、音を入れてみたり、キャラ同士がぶつかったら回転するなどの動作をプログラムします。
作品をプレゼン
講座の最後はプレゼンです。自分の作品をみんなの前で発表します。キャラがブンブン飛び回っていたり、音がなったり、発表風景は笑いでいっぱいでした。発表は英語でも日本語でもOK。作品に対し、小山さんは両方の言語で質問したり、コメントしたりしてくれました。
小1には少し早いけど、小3以上なら楽しめる
私の子どもは小1なのでプログラムを書くことは難しいようでしたが、彼女は「大好きな世界観を表現したい!」と小山さんに色々相談。かわいい雰囲気の作品ができました。感想を聞くと「楽しかった!」と高いテンションで返事がありました。
画像をクリックでスクラッチ上の作品に飛びます。大きい子はもっと激しい動きをする面白い作品を完成させていました。
親としては、「わけが分かっていない幼子に、丁寧に教えてくれてありがとう。もっと算数をやって、プログラミングについて理解できるようになったらカムバックします。」というのが正直な感想でした。
小学校高学年や中学生には十分できる内容ですし、小山さんのような年の近い先生に学ぶのは「それはそれは刺激的!」でしょう。この点で非常におすすめです。
新聞社の取材も!
高校生起業家 小山優輝さんが主催する小学生向けプログラミング講座「Mana Lab」Global Coders 冬の短期講座(3日間)。この講座には新聞社の取材も入っていました。選挙権が18歳に引き下げになるので、「今の18歳たち」を新聞社が追っていたのです。
面白い動きの18歳を何人か取材しているそうなのですが、小山さんはそんな中でも異色だそう。どこが他とは違うかというと・・・2016年の正月明けに新聞が出たらまた追記しますね。
さいごに
自分の子を育てている最中なので、小山さんのような素晴らしい高校生に出会えたことは刺激的でした。今後のご活躍を心より願っております!そして、子どもが小3ぐらいになったらまたプログラミングを教えてもらえたら嬉しいです。
子どもプログラミングに興味のある方は「Mana Lab」さんのホームページをのぞいてみてくださいね!
END